#まちのひと2022年8月

#まちのひとでは、街を眺める方、街にかかわる方を紹介しています!

街を見続ける笹井氏が綴るメルマガの一部ご紹介致します。

2022年8月30日のメルマガより一部を抜粋

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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は「真似」と「学ぶ」について考えてみましょう。

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本質を真似する先に
工夫に満ちた創意が生まれ
創意が真似の質を高める
この両輪が商いを育てる
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「学ぶ」の語源は「真似る」と同じであり、「真似ぶ」とも言われていました。真似ることは学びの基本であり、良いことの真似から学びは始まります。ただし、真似る上での心構えが大切です。目に見える事柄の物真似だけでは、その本質を自分のものとすることはできません。

良いことの中にある目に見えない心も理解し、同じように真似しなければなりません。形だけを真似て学びを止めてしまうから、状況が変わるとうまくいかなくなるのです。形から入って心までを体得したとき、真似は独自性創造への一歩を踏み出せます。

武道や茶道、芸能の学びの段階を表す言葉に「守破離」があります。「守」は、師や流派の教えや基本の型を確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出して確立させる段階です。

真似とは「守」であり、創意工夫とは「離」。あなただけの独自性である「離」は、「守」「離」の積み重ねの末に得られるのです。はじめは小さなことの物真似でもいいので、今を大切にしましょう。人生は「今」の連続です。

※2022/8/30メルマガより一部を抜粋

2022年8月23日のメルマガより一部を抜粋

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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は経営者が「おもいやり」についてです。

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おもいやりがすべてである
あたたかい販売も
うつくしい利益も
すべてその中にある
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昔、ある男が地獄と極楽の見学に出かけたときの話です。まず地獄に行くとちょうど夕食時で、罪人たちが食卓に向かい合って座っていました。豪華な料理が山盛りに並んでいるのに、なぜか罪人たちは皆痩せこけています。彼らは1mもある長い箸を使ってご馳走を口に運びますが、うまく食べられません。怒り出す者や隣の人がつまんだ料理を奪おうとする者もおり、まさに地獄の有り様です。

次に男が極楽に向かうとやはり夕食時で、食卓には山海の珍味が並んでいます。極楽の人は皆ふくよかで肌も艶やかで、同じように1mの箸を持っています。違うのは、長い箸で挟んだご馳走を向かい側の人に食べさせていること。「ありがとう」とほほ笑んだ相手は、同じように向かいの人に食べさせていたのです。心の持ちようだけで地獄にも極楽にもなることを教える「三尺三寸箸」という法話です。

さて、商いというものは売上と利益がなければ成り立ちません。しかし、それを目的としてしまったとき、私たちは地獄の罪人へと堕ちます。目の前の人、つまりお客様の幸福を第一とするおもいやりを発揮したとき、その見返りとして私たちは極楽の住人となれるのです。

※2022/8/23メルマガより一部を抜粋

2022年8月16日のメルマガより一部を抜粋

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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は経営者が遺すべきものついて考えてみましょう。

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利のもとは義であり
義とは人の道をいう
相手の都合に立つ
おもいやりこそ商い
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「義は利の本なり」は古代中国の思想家、孔子が編纂したと伝えられる歴史書「春秋」の代表的な注釈書の一つ「春秋左氏伝」にある一文。そこには「利は義の和なり」とも記されています。利とは己の利益、義とは人として守るべき正しい道や行いを意味します。利益は義を積み重ねた結果として得られるものだと、2500年前の思想家は説いています。

そんな孔子の教えを弟子たちがまとめた書「論語」に、こんな逸話があります。ある弟子の「生涯、座右の銘にすべき言葉は何でしょうか」という質問に孔子は答えました。「それは恕(じょ)かな。自分がされたら嫌だと思うことは、人にしてはいけないよ」恕とは和語で表すなら「おもいやり」であり、他人の立場や心情を察する気持ちです。

他者をおもいやる思想は、新約聖書「マタイによる福音書」の中にも、キリストの黄金律として記されています。「自分にしてもらいたいことは、他の人にもそのようにしなさい。それが律法であり、預言者です」

義とはおもいやり。おもいやりとは人の道。それがどれほど商人にとって大切な行動規範であるかを、論語や聖書は教えてくれます。あなたがおもいやるべき人は誰ですか? それはお客様だけではありません。共にお客様のために働く社員を忘れてはなりません。

※2022/8/16メルマガより一部を抜粋

2022年8月9日のメルマガより一部を抜粋

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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は経営者が遺すべきものついて考えてみましょう。

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お茶席は四畳半
それはいつも行き届くため
だから小さな店は隅々までが
お客様のためある
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一、茶は服のよきように点て(心を込める)
二、炭は湯の沸くように置き(本質を見極める)
三、花は野にあるように(命を尊ぶ)
四、夏は涼しく冬暖かに(季節感を持つ)
五、刻限は早めに(心にゆとりを持つ)
六、降らずとも雨の用意(柔らかい心を持つ)
七、相客に心せよ(互いに尊重しあう)

「茶聖」と言われる千利休のもてなしの極意「利休七則」。国宝「待庵」は利休がつくったとされ、現存する茶室としては最古の遺構です。利休は戦国・安土桃山時代を生きた大店(おおだな)の商人でもありました。

大店とは店構えが大きく、手広く商い、多額の取引のある店のこと。そんな店の主が追究したのが四畳半の質素な空間で、どうしたら客人に喜んでいただけるか、どうしたら客人に満足していただけるかを常に考えて行動することだったのです。

お客様との一期一会を大切にし、相手の立場に立った丁寧な応対をするのに大きな店は無意味です。小さく狭いからこそ表裏なしに心を尽くすことができるのです。そういえば、「おもてなし」の語源の一つが「表裏なし」。あなたの小さな店で表裏なしに利休七則を実践してみましょう。

※2022/8/9メルマガより一部を抜粋

2022年8月2日のメルマガより一部を抜粋

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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は経営者が遺すべきものついて考えてみましょう。

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店の大小は
大した問題ではない
大切なのはその店が
正しいか否かどうかである
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店はお客様のためにあるのであって、その会社のためにあるのではありません。だから、店が狭いからといって恥じることはありません。その店で営まれる商いが正しいかどうかこそ大切です。店とは、お客様の信頼と商人の誠実とが出合う商売の広場のことです。

そのために、お客様とは誰か、お客様は何を求めているのかを正しく知る努力を重ねましょう。お客様がどんな生活をしていて、どういう暮らしをしたいと願っているかを、友だちの気持ちを知るように理解しなければ、一人ひとりのお客様に心から喜んでもらえる自信ある商いはできません。

店がお客様に愛と真実を捧げて、その生活を幸福にするために諸々の物を売り、サービスを行う神聖な場所であることを自覚しましょう。そのとき、自分たちの職業がどれほど尊く、誇り高いものであるかを悟るでしょう。

商いとは、一人ひとりのお客様に自分ができる限りの努力をして、信頼の関係を広げていく営みです。だから、それは毎日の地味な仕事の積み重ねを通じてしか実現できません。だからこそやりがいがある――そう思うと、朝目覚めるのが楽しくなるはずです。

※2022/8/2メルマガより一部を抜粋

笹井氏とは・・・

”商い”をする人々の育成を目的とした「商い未来研究所」を設立。インタビューや研修・コンサル・講演により商いにかかわる本人が認識をしていない強み課題を顕在化させ、多くの商業者を育成し排出してきた人です。

そんな笹井氏の”商いの心と技”がつまったメルマガです。

笹井清範(ささいきよのり)氏  

商い未来研究所代表

一般財団法人食料農商交流協会理事

※笹井氏のメルマガは、商い未来研究所様のページより登録いただけます。